ワーママのミカタ

ワーママの見方と味方。ハレてもケでも子育て。

小学校の図工、個性を消すトラウマ。

小学校の図工

 

先日のこと、小2の長男
「茶色のクレヨンを学校に
もっていかないといけない」
と言いました。
 
「なんで?」 と聞いたら、
図工の授業で、
ザリガニを題材にして絵を描くという
授業があったようで、
先生から茶色のクレヨンを
指示されていたようです。  
 
わたしは、この時点で
違和感がありました。  
 
なぜザリガニを茶色で指定?
と引っかかりながらも、
そのまま時は過ぎました。    
 
そして、先週、小学校で
図工の展覧会がありました。
体育館に全学年の絵画や
木工作品が所狭しと並べられます。  
 
それぞれの個性ひかる作品をみながら、
思い出したこと。
 
それは、わたしの
小学校の図工のトラウマ。      
 
 
親の次に、 一番、
こどもの心に 影響をあたえるのは
小学校の先生だと思います。    
 
そして、わたしの図工のトラウマは
忘れもしない小1の図工の授業でのこと、
題材は先生の絵を描くということ。    
 
先生の顔をおおきく画用紙いっぱいに
絵を描いてクレヨンで色をぬって、
そして、背景の色をぬることになりました。    
 
わたしは、背景の色に
「むらさき」をえらびました。    
 
むらさきで背景をぬった絵を先生に
もっていったとき、言われた言葉。    
 
「もう一度、最初から書き直しなさい」    
 
でした。    
 
小1のわたしは、
なんで自分の絵が否定されるのか
わかりませんでした。    
 
先生の話では、
人の絵の背景に「ムラサキ」を
使ってはいけないと言われました。    
 
小1のわたしは、
なぜ「ムラサキ」を使ってはいけないのか
わかりませんでした。    
 
先生の言葉を断片的にたどると、
ムラサキは、死んだ人の色という
説明を受けました。      
 
そのあと、わたしは もう一度最初から
白い画用紙に先生の絵を描きました。    
 
そして背景の色をぬろうとして、
背景に何色を使えば正解なのかわからず、
その絵の前でずっと固まっていました。    
 
何色でぬればよいのかもわからず、
次にぬった色もまた否定されると思って
背景をぬることができませんでした。    
 
ずっと固まっているわたしをみて
先生は、先生の後ろには黒板があるんだから
黒板の「ミドリ」でぬったら? と言われ、
言われたとおりにミドリでぬりました。    
 
それが、小学校の図工のトラウマです。    
 
こどものこころをどんな色にも染めるのが
小学校の先生でもあります。      
 
そんなとき、思い出す絵本があります。    
きみのせかいは   どんないろ?  
 
 
 
 
 
 
「きみのせかいはどんないろ?
しばふでうつぶせになったら、みどり。
あおむけになってそらをみたらあお。
でもほかのひとにきいてみよう。
にわし、れんがつみのひと、ぎゅうにゅうやさん。
“きみのせかいはどんないろ?”みんなちがうこたえをくれるだろう。
あなたの世界はどんな色ですか?」  
 
こどもたちには
じぶんだけのじぶんの色をもっていてほしい。  
 
学校の先生に言われたから
その色にそまるのではなく、
じぶんが考えたじぶんの好きな色で
いいんだということを伝えたい。
 
今回の展覧会で、こどもの作品をみて、
ザリガニを「あお」や「水色」や
「オレンジ」や「茶色」で 勢いよくぬっていた
長男の作品をみて
微笑ましく誇らしく思いました。  
 
小学校の先生の責任の重大さを
しみじみと感じます。