ワーママのミカタ

ワーママの見方と味方。ハレてもケでも子育て。

奨学金はアリかナシか。

 

奨学金は他人事ではない
   
奨学金のニュースがでると
ついつい我が身のことにように
見入ってしまいます。  

 

なぜなら、私も奨学金を借りていた身だから。  
 
奨学金を悪のように考える
人たちも一定数いて
奨学金は借金だ!
学生に背負わせるなんて
親としてどうか的な論もあります。
 
でも、このニュースをみると、
全学生の37%にあたる
2.7人にひとりが奨学金を借りるという
奨学金には無縁とは言い切れない時代です。
 
奨学金を借りた身からすると
ふりかえっても、
奨学金から受けた恩恵、
あの学生生活をささえてくれた
奨学金には感謝しかありません。
 
奨学金を借りた学生の一人として、
自分の意見を記そうと思います。

 

奨学金にはただただ感謝
   
奨学金は確かに借金である
ことは間違いないことですが、
学生のときのお金は、
今の自分にとっての価値とは
また別の意義と価値を生み出すものです。  
 
私は、大学生のときに
約月40,000円を4年間、
大学院生で約70,000円を2年間
借りましたので、
卒業するときには、
目がくらむような金額の返済額でした。  
 
でも、こつこつと、
こつこつとこつこつと
新卒から月々約20,000円返済し、
ようやくようやくようやく
アラフォー前に全額返済し終わりました。
感無量。  
 
この額が、貯金できていたら、
なんて野暮なことはもう考えません。
 
あのときの、
あの学生のときの
お金の価値は
今、そのお金があっても、
同じ価値ではないと
身にしみてわかっています。  
  
奨学金を借りたことで、
親が経済的に支えてくれなかったことを
恨んでいるか?
そんなことは
微塵もありません。
 
学費も仕送りも
十分支えてもらっていましたし
大学院に進学したいと言ったときに
自由に進学させてもらったことも
感謝しています。
 
たた、大学在学中、
予期せぬことが起こりました。
 
まだまだ働き盛りの父でしたが、
不況の煽りでリストラにあいました。
 
そんな状況だったので
奨学金には本当に助けられました。
 
奨学金は仕送りで足りない分の
生活費にあて、
残りは海外放浪の旅に使っていました。
 
学生時代、沢木耕太郎深夜特急にかぶれ
アジア放浪の一人旅に
ハマっていた私は、
時間はあってもお金がない、
という多くの学生と同じように、
お金がなかった。
 
バックパックひとつかかえて、
タイの農村部でのフィールドワーク、
留学生の友人のいる中国の西安
北京、台湾、韓国でのホームステイ・・・
アジアへ旅した思い出はいまの財産でしょう。
 
だから、奨学金は決してアクではない。
 
ですが、奨学金を全面的に賛成か?
というと、もちろん、
奨学金ありきで考えてはいません。
 
親として、経済的な努力は惜しみません。
でも、もしこどもが進学をのぞんで、
そのわずかなりとも経済的な充実を、
奨学金で補えるならこどもにも事情をはなし、
奨学金の意義と責任を十分理解させて
こどもの選択を優先します。
 
奨学金は賢く利用
   
そして、仮にこどもが奨学金
借りる場合には
必ず無利子の奨学金
選択させます。
 
今の日本学生支援機構の基準は
把握していませんが、
当時、私が借りていた育英会奨学金
利子型と無利子型があって、
無利子の奨学金を借りる場合、
親の収入の状況と学校の成績
で選ばれていました。
 
高校では勉強を疎かにして
部活に打ち込んでいた私の成績は、
平均以下であり、残念ながら
育英会の無利子の奨学金
成績基準には届きませんでした。
 
それでも、高校卒業時は、
有利子で奨学金を申し込み、
大学1年生の成績で再申請をだし、
大学2年生から無利子奨学金
申請がとおり、大学院卒業まで
無利子で奨学金を受けることが
できるようになりました。
 
大学生の成績なんて、
「優、良、可、不可」の4種類でしたが、
普通に授業にでて、
普通にレポートを提出していれば、
無利子の基準となる「良」はとれます。
 
わたしが奨学金を借りることにしたのは、
親の意向でもなんでもなく、
自分で決めて、
自分で書類を取りよせて自分で書類を書き、
連帯保証人になってくださった親戚の方に
親といっしょに自分も頭をさげました。
 
だから 借りる責任、返済する覚悟
があったのだと思います。

 

見逃してはいけない事実
   
奨学金が良い悪いの問題ではなく、
返済義務のある奨学金を借りる
責任と覚悟があるのか
こどもと親がじゅうぶんに認識し、
選択することか必要だと思います。
 
そしてこの事実も見逃せない。