ワーママのミカタ

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【パンツの教室】のじまなみさんの防犯講座。小児性犯罪者のターゲットになる子どもとは。

 

性教育どうしてる?
 
性教育なんていうと
恥ずかしさと小難しさが
入り混じっていて
みえない透明なベールに覆われていて、
すぐに手を伸ばせば触れると思ったけど、
いざ触ろうと思うと、
どうやってベールを取り外そうと
立ち止まって考えてしまう、
なんていうテーマです。
 
大事なのに、こうもデリケートに
こうもタブーに扱われる分野って、
性教育特有のものです。
 
小学生、未就学児をもつ母であり、
思春期にさしかかろうとしている
ムスメには最新の注意を
払っているつもりです。
 
性教育にアンテナを貼っているつもりだし、
絵本なんかを何気なく本棚において、
こどもから質問があれば「ほいきた」と
答えられるように心の準備を
しているつもりですが、
のじまさんの話を聞くと、
まだまだだわーと気づくのです。
 
のじまなみさんとは、
パンツの教室の代表で、
日本の性教育の第一人者といっても
いいんじゃないかなと
個人的には思っています。
 
はじめてのじまなみさんを知ったのは、
PTA主催の子育て講座の一環で
性教育についての講座に
参加したときでした。
 
目から鱗がポロポロこぼれ落ちて、
のじまさんの話の一言一言が
すべて身にしみて、
心にしみて、頭にしみて、
性教育ってこういうことだったのか
という感動をおぼえたばかり。
 
そして、第二弾として
PTA主催の子育て講座で
今度は「防犯」についての
お話があるという。
さっそく申し込みし、参加してきました。
 
のじまさんは、全国津々浦々出張し、
性教育の講座をひらいているのですが、
いわく、私の住む市では、
これまでにも幼稚園や小学校、
PTA主催の講座などで、
過去に5回以上、講座をおこなって
いらっしゃるという。
 
こんなに熱心な自治体は他にないですよ、
とのことで、
私の住む自治体はのじまさんから、
性教育、防犯に意識高い自治体として
認められました。
 
こういう保護者の意識は
地域をつくり、社会をつくりますから、
性教育に関心の高い自治に感謝。

 

小児性愛者は確実に存在する
 
肝心の防犯についての話を聞いて、
性教育の話と同様、
目から鱗がポロリでした。
 
特に印象に残ったことを共有します。
 
悲しいことですが、
一定数の小児性愛者がいることは
疑いようのない事実です。
 
のじまさん紹介のデータによれば、
それは全体の8%。 
データによっては、20%をこえるという
報告もあるそうです。
 
そして、年間、1,000人以上が
被害にあっているという報告がなされています。
 
ただ、それは、氷山の一角。
 
こどもが性被害にあったときに、
大人に言えるこどもが
1割に満たないそう。
 
つまり、年間、10,000人以上のこどもが
性被害にあっているという
現実があります。
 
うちは男の子だから大丈夫、
って?
 
実は13歳未満のこどもは、
男の子も女の子も
性犯罪にあう確率は同じ
と言われています。

 

防犯についてこどもと話しあっていますか?
 
どんな子がどんなときに、
どんな場所で狙われると思いますか?
 
というテーマでグループワークで
議論しました。
 
女の子?ひとりでいる子?
スカートをはいている子?
夕方?公園? などなど、でました。
 
でも、答えはすべてNO。
 
のじまさんのお話では、
小児性犯罪者のターゲットになる子は、
「女の子だから、ひとりでいるから、スカートを履いているから」
という理由ではないそうです。
 
小児性犯罪者のねらうターゲットは
ただひとつ、
 
家で性教育の話をされていない子
 
小児性犯罪者は一瞬にして、
ものの15秒ほどで
ターゲットを決めるそうです。
 
そして、そのターゲットは、
性教育(防犯)についての知識がない子ども、
つまり、家で性教育(防犯)の話をされていない子。
 
驚くべきことに
小児性犯罪者は、一瞬にして、
その子どもを見分けられるそうです。
 
性教育(防犯)についての
知識がない子どもには、
「にげる」ということを知らない
「大声を出す」ということを知らない
そして、性犯罪者が言葉巧みに、
「このことはお母さんにも先生にも言っちゃいけないよ
言ったら、お母さんは君のこと嫌いになっちゃうよ
秘密だよ」
 
という巧みな言葉で誘導して、
その子どもの性被害に蓋をして、
こどもが性被害を訴えられないように
してしまうといいます。
 
だから大切なことは、
家庭でしっかりと性教育の話をして、
ただしい性知識をつけ、
防犯についての意識をさせることが
重要であるとのこと。
 
のじまさんは、危険な人から
子どもの性を守るための3カ条として、
 
  • 断る勇気をもたせること!
  • イメージをさせさること!
  • 名前を呼ばれても信用してはダメ!
ということをあげています。
 
「断る勇気」とは、
例えば、性犯罪者が言葉巧みに
こどもに近づいてくる場合
 
「ちょっと駅までの場所、おしえてくれるかな?」
「道に迷っちゃったんだけど、◯◯まで案内してくれるかな?」
と言葉をかけられたら、こどもにはどう対応するべきか話し合っていますか?
 
走って逃げる?無視する?
本当に困っているみたいだから、教えてあげる?
 
特に小学校低学年のこどもは親切心で
「知ってるよ、教えてあげる」
って言ってしまう
場合もあるかもしれません。
 
こどもには、まだ善悪の判断が
むずかしい場合があります。
 
「知らない人には絶対についていかない」
っていうことをどう伝えるのか。
 
でも、その「おしえてあげよう」とする
純粋な親切なこどもの心を
全部否定してしまうような教え方ではなく、
 
世の中には、一定数の小児性犯罪者が
必ず存在することを伝えることで、
こどもたちに性犯罪についての
イメージをもたせることが大切です。
 
そのときに、知らない人に声をかけられたら、
どうすればいいのか?
本当に道に困っている人が声をかけてきているかもしれない。
 
でも、のじまさんいわく
まともな大人はこどもに道をたずねない。
 
この視点は、私には目から鱗でした。
 
もし、本当に困っている人がいたら、
あなたにできることは、
自分が教えてあげるんじゃなく、
「大人」を呼んでくること、
とも言っていました。
 
こういったことをこどもといっしょに
常日頃から共有していくことが大切です。
 
そして、親は防犯について話し合おうとすると、
「悪い人についていったら殺されちゃうよ」
とマイナスのイメージばかり
植え付けようとしてしまいがち。
 
これも、のじまさん曰く、危険信号であり、
マイナスばかりの怖い情報で
行動をコントロールしようとすると、
こどもは、遊びに行くことや
ひとりで学校に行くことも
怖くなってしまうという
実際の話があるそうです。
特に小学校1年生男子。
 
大事なのは、
プラスの情報といっしょにあわせて伝えること
 
防犯とは性教育が土台にあります。
 
あなたのことはとっても大事。
大切な存在であること。
あなたが、被害にあったらとっても悲しい。
だから、自分のことは自分で守ることが
できる行動を知っておいてね。
 
というように、プラスの情報を
必ず言ってあげることが
大事なことと言っていました。
ここも目から鱗でした。
 
長くなりましたが、興味があれば
のじまさんの本は
とても参考になると思います。
 
 
あと、のじまさんが一家に一冊
性教育の絵本としてあるといいと
推薦していた絵本。
 
 
わが家にも本棚に1冊あります。
 
著者は、アメリカの教育家であり、
子ども達に、誘拐や性被害がある事を知らせ、
いざという時自分で判断し、
危険な状態から逃げる力を
つけるという目的で作られた絵本です。
 
デパートで、公園で、親戚のうちで、
というようにどこにでもある
日常にひそんでいる危険から
どうしたらいいのか
わかりやすく描かれています。
 
他にも、あとがきではちいさいこどもは、
迷子になったときには
へたに動かずそこにじっとしていること、
子ども連れの家族や、
あかちゃんを連れているお母さんに声をかけると
助けてくれる可能性が高いこと、
また、自分ひとりで留守番をしているときに
チャイムがなっても決してドアを開けないことなども書かれています。
 
そういうことを 「知っている」と「知らない」では
身にせまる 危険への対処法がちがいます。
 
そして、わたしは
何かあったら必ず話してね、
あなたは何もわるくないんだ
ということも同時に伝えています。