ワーママのミカタ

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地名は語る、武蔵小杉駅付近の氾濫のサイン。

 
地名は災害リスクを警告
 
(つづきです)
武蔵小杉駅付近でなぜ氾濫がおこったのか、
メディアによる報道や専門家による
検証が行われています。
 
「地名は災害を警告する」 に
大変興味深い記載があり、
今回の武蔵小杉駅付近の氾濫は
おこるべくしておこったと
言わざるをえないと考えられます。
 
 
今回の台風による多摩川河川の
氾濫は複数箇所あり、
東京大学の芳村氏によると、
多摩川沿いの冠水被害は、
エリアによってその原因が異なるといいます。
 

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報ステ多摩川周辺で冠水 それぞれの原因とは・・・(19/10/14)より抜粋
 
二子玉川駅付近の原因は、
景観を損なうという地元住民の反対により
歴史的に堤防が作られなかったことによる
冠水被害であるとされています。
 
世田谷記念病院(世田谷区野毛)の冠水は、
多摩川の水位上昇により排水門を
閉めたことによる側溝などから
水が溢れ出る内水氾濫による被害、
 
川崎市高津区の冠水は、
多摩川と支流である平瀬川の合流地点において、
多摩川の水位上昇により平瀬川の水流が
行き場をうしなってあふれだす現象
(バックウォーター現象)が
おこった可能性による被害と指摘しています。
 
市民防災研究所の坂口氏によると、
武蔵小杉駅付近の氾濫は、
一種の都市型災害で内水氾濫の一つとして、
摩川のみずが配水管を通って下水管を通って
逆流してきたというのが考えられるとしています。
 
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 テレビ東京】武蔵小杉で被害なぜ?(19/10/17)より抜粋
 
武蔵小杉の近くで実は川の水が
堤防を越えることはなかったものの、
雨の量が多かったため人工的につくられた
地下の下水管を通って水が逆流、
地上に水が噴き出たのではないかと
言われています。
 
川を挟んだ同名地名は水害のサイン
 
「地名は災害を警告する」のなかでは、
川を挟んだ同名地名は水害のサインである
という指摘があります。
 
都道府県や市町村が異なるにも関わらず、同じ地名が河川を挟んで並んでいるケースがよくある。これらはほぼ例外なく過去の水害の痕跡と考えていい。(p102)
 
今回の台風により冠水被害のあった
氾濫箇所をみても
多摩川を挟んだ地名が同地名であることが
顕著にあらわれています。

 

世田谷記念病院、二子玉川駅のある
世田谷区に「野毛」「上野毛」があるのに対して
川崎市高津区に「下野毛」がある。
 
世田谷区に「瀬田」があるのに対して、
川崎市高津区に「瀬田」がある。
 

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地理院地図電子国土Webを加筆)
 
武蔵小杉駅付近の地名をみても
東京都大田区に「下丸子」があるのに対して、
川崎市中原区に「中丸子」「上丸子」
という地名がある。
 
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 地理院地図電子国土Webを加筆)
 
他にも、多摩川を挟んで同じ地名は複数箇所あり、
 
世田谷区に「中和泉」「元和泉」「東和泉」があるのに対し、
川崎市多摩区に「和泉」
 
調布市に「布田」
多摩区に「布田」
 
府中市に「押立町」
稲城市に「押立」
 
国立市「石田」
日野市「石田」
などがあげられており、
これらはいずれも 多摩川を挟んだ同地名ということです。
 
かつての多摩川は暴れ川として知られていた。河川延長が138キロメートルと短いにも関わらず、水源の標高が1953メートルと高く、勾配が急であるため、古くから氾濫が絶えなかった。洪水の度に流路が変わり、沿岸にあった村が川により隔てられてしまうことも珍しくなかった。 1950年の大洪水で丸子や等々力、野毛、瀬田、宇奈根、布田、押立、石田といった村々が分断した。(p104)
 
この本には、都心はじめ荒川河川域、
下町の足立区、江戸川区葛飾区についても
高潮災害のリスクが記されています。
 
不動産えらび、住まいえらびの参考に
「地名」は大きな役割を果たすことが
浮き彫りになっています(つづく)。
 
 (参考メディア)

 

www.tv-tokyo.co.jp