ワーママのミカタ

ワーママの見方と味方。ハレてもケでも子育て。

40才、組織人の分岐点「大企業でも終身雇用ヤバイ説」がつづく、そのときワーママは。

 
2019も引き続き早期退職の風
 
以前、45歳以上に対し、
早期退職・希望退職の嵐が
吹き荒れているという記事をかきましたが、
2019年においても
「大企業でも終身雇用ヤバい説」が
どうやらつづいているようです。  
 

wm-mikata.hatenablog.com 

おさらいしますと、
2018年の時点で以下の名だたる
大企業、上場企業が
45才を分岐点として、
希望退職を募っています。
  • 地図事業を展開する昭文社45歳以上の従業員80人程度の希望退職を募る
  • 日本ハムは、45歳以上の社員を対象に、全社員(子会社への出向を含む)の約1割にあたる200人を上限に早期退職者を募る
  • NECは、希望退職者を募集すると発表。対象はグループ会社で間接部門やハードウエア領域の特定部門に在籍している45歳以上かつ勤続5年以上の従業員  
  • エーザイは、45歳以上の従業員を対象とする早期退職を募集すると発表。100人程度の応募を見込む
  • カシオ計算機は創業以来初の早期退職者の募集を始めると発表。対象は、国内営業部門・スタッフ部門に在籍する勤続10年以上の社員のうち、45歳以上の一般社員と50歳以上の管理職  
  • アルペンは、収益性の改善に向けて約300人の希望退職者を募集すると発表。対象はアルペンと子会社ジャパーナに在籍している45歳以上64歳未満の社員
  • 千趣会は、希望退職者を募集すると発表した。募集対象者は、45歳以上の正社員・全契約社員で、募集人数は280人を予定
  • 光村印刷は、買収して連結子会社化した新村印刷(東京都千代田区)で30人程度の希望退職者を募集すると発表した。新村印刷の全従業員の約2割を削減する。対象となるのは44歳以上の従業員 
 
そして、2019年もさらに大企業における
早期退職の募集が吹き荒れてます。
 
2019年のリストラによる退職者数が6年ぶりに1万人を超えた。東京商工リサーチの調査によると、2019年1月~9月に希望退職や早期退職者を募集した上場企業は27社で対象人員は1万342人。2018年の人員を大幅に上回るだけではなく、6年ぶりに1万人を超えた。 さらに10~11月にはキリンホールディングス(以下、キリンHD)と傘下のキリンビールなども希望退職者募集を実施しており、リーマンショック後の2010年の1万2232人を超えるのは確実と見られる。
 
注目すべき点は、
  • 業績好調な企業でも早期退職を募集していること
  • サービス、食品、住宅、不動産、小売、外食、自動車、エレクトロニクスといった多岐にわたる業種で実施されていること
でしょうか。
具体的には(私が日経から確認できただけでも)
 
味の素は28日、50歳以上の管理職を対象に希望退職を募集すると発表した。2020年1月6日~3月13日に受け付け、退職日は同年6月30日とする。対象者は約800人いるが、1割強に相当する100人程度を募る。退職金の特別加算や再就職の支援を実施する。従来から管理職の早期退職者に対する支援制度はあったが、募集期間を設けるのは同社として初めて。

 https://r.nikkei.com/article/DGXMZO52717940Y9A121C1916M00?

 
LIXILグループは25日、早期退職者を募集すると発表した。対象は2020年6月25日時点で同社と国内の一部子会社の50歳以上で勤続10年以上の計約6900人の正社員。募集人数は定めていない。

 https://r.nikkei.com/article/DGXMZO52577420V21C19A1916M00?s=3 

 

ファミリーマートは14日、2020年2月までに原則40歳以上の社員を対象に約800人の希望退職を募ると発表した。全社員の約1割に当たるという。構造改革として組織をスリム化する。

 https://r.nikkei.com/article/DGXMZO52173110U9A111C1HE6A00?s=3

 

オンキヨーは13日、国内社員を対象に約100人の希望退職を募集すると発表した。40歳以上60歳未満の正社員かつ家庭用オーディオ事業の拠点集約に伴う転勤対象者の中から、12月12日から20日まで募集する。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO52112480T11C19A1000000?s=3

 
アパレル販売のラピーヌは8日、全社員の14%にあたる40人程度の希望退職を募集すると発表した。45歳以上の正社員と嘱託社員が対象。百貨店向けの卸売り事業が苦戦しているため。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO51960300Y9A101C1LKA000?s=3

 

サンデンホールディングス(HD)は2日、国内グループの従業員を対象に200人程度の希望退職者を募集すると発表した。グループ各社を含め国内には2140人が在籍し、募集人員は1割にあたる。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO50505550S9A001C1916M00?s=3

 
レナウンは、約150人の希望退職を募集すると発表した。レナウンと関係会社の40歳以上の社員が対象で全社員の2割弱にあたる。主力の百貨店向け紳士服の販売が低迷しており、人件費を圧縮し採算改善を急ぐ。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48918600T20C19A8916M00/

 

イオニアは、本体を含む国内グループ企業の従業員を対象に希望退職者を募集する。人員削減の規模や対象年齢は明らかにしていない。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43936020Z10C19A4TJC000/

 
 
お荷物社員の選別がはじまっている上場企業
 
2019年も引き続き、
名だたる企業、一流企業、上場企業
のオンパレードですね。
 
2018年の早期希望退職の状況と比べ
変化してきている特徴として、
  • (味の素、LIXILグループでは、50才以上が対象ではあるが、)2018年は45才以上〜だった対象者が、40才以上と対象年齢がさがっている
  • 正社員の約10%〜20%にあたる従業員の希望退職を募っている

 

ことがみてとれます。

「好調にもかかわらずリストラに踏み切る理由」

として記事では、理由や背景として以下の3つをあげて分析しています。

 

  1. 若手が少なく年輩社員が多い社員のいびつな年齢構成を解消し、新陳代謝を図る
  2. 新規事業への進出など中・長期的経営戦略を見据えた事業構造改革に必要とされない人材の放出
  3. 年功的人事・賃金制度から職務・成果に基づいた制度改革への移行に伴う社員の反発を防止する
 

詳しくは記事をみていただくとして、

私が独断で咀嚼したかぎりでは、

  • 大企業になればなるほど、近い未来に実施されるであろう70才定年まで持ちこたえる体力はない
  • 今年50才から55才にあたるバブル期入社組は、いままさに選別されており、お荷物社員を退職へいざなっている。そして、これまで45才以上の対象としていたお荷物社員の選別は40才に移行しつつある
 
データからみるワーママ像
 
ワーママに焦点をあててみると、
必ずしも、この早期希望退職者の対象者層に
ワーママたちが属しているとは
いえないと思います。
 
妊娠、出産を機に多くの女性が退職し、
再就職後、多くが非正規で働いている状況は
データが語っています。
 
一例として、平成30年度版の働く女性の状況によると、
女性雇用者総数に占める割合(役員を除く。)は、
「正規の職員・従業員」44.0%
「非正規の職員・従業員」56.0%であり、
一方の男性雇用者総数に占める割合(役員を除く。)は、
「正規の職員・従業員」77.8%
「非正規の職員・従業員」22.2%。
 
つまり、このデータからも
約8割が正社員である男性を中心に
希望退職を募っているだろう状況が
推察されます。
 
さらに、産業別に働いている職種をみても、
男女で差があることがうかがえます。
 
具体的には、女性は、
「医療・福祉」に従事する割合が高く、
男性は、「製造業」への従事の割合が高い。
 
平成30年の女性雇用者数を産業別にみると、「医療,福祉」が617万人(女性雇用者総数に占める割合23.1%)と最も多く、次いで「卸売業,小売業」518万人(同19.4%)、「製造業」302万人(同11.3%)、「宿泊業,飲食サービス業」231万人(同8.6%)の順となっている。
男性については、「製造業」が712万人(男性雇用者総数に占める割合21.8%)と最も多く、次いで「卸売業,小売業」475万人(同14.6%)、「建設業」338万人(同10.4%)、運輸業,郵便業」260万人(同8.0%)の順となっている。
 
早期退職を募る上場企業のなかには、
「福祉・医療」関係の業種は
入っていないことがわかります。
 
「福祉・医療」分野は、
高齢社会のなかで、
介護、看護、医療、リハビリと
いった職種において
売り手市場の状況がつづき、
今後も慢性的な人材不足がつづくだろう思われます。
 
つまり、福祉・医療職で
働く女性が多いことから、
早期退職者の層とは必ずしも
一致していないことが読み取れます。
 
そのとき、ワーママは
 
としても、私はワーママの方々は
もっともっと冷静に状況を
とらえていると思います。
 
なぜならば、残業が(ほぼ)不可
という状況で、
業務時間内にどれだけ、
パフォーマンスをあげ、
終業時間とにらめっこしながら
効率的に効果的に仕事を片付ける姿は
ワーママあるあるでしょう。
 
また、時短勤務という
制限された状況下において、
お給料は減らされながらも、
パフォーマンスはフルタイム社員と
(ほぼ)同様のものを求められ、
お昼ごはんを片手に食べながら
仕事をする姿もワーママあるあるでしょう。
 
こう考えると、ワーママたちは
企業にとってコスト面で安上がりな
人材(財)になっているんじゃなかろうか。
 
子育てをしながら仕事との両立に悩み、
悩みながらもこどもと仕事の
限界点と妥協点をさぐりながら、
数々の綱渡りを経験してきた
世の多くのワーママたちは、
会社にしがみつくことが
必ずしも最善の選択ではないことは、 
もう心の奥で感じていることであろう。
 
そう、選択肢は企業の論理ではなく、
女性の意思のなかにある。

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