ワーママのミカタ

ワーママの見方と味方。ハレてもケでも子育て。

マイノリティである経験。

 

読書の秋に思うマイノリティ
 
読みたかった小説を1日で読了。
読書に没頭できる時間って久しぶり。
 
となりでこどもたちはゲームに
熱中していた横で、
私はひとり読書の秋、満喫。
 
「デフ・ヴォイス」という
耳が聞こえない両親をもつコーダが主人公。
手話通訳を通して耳が聴こえない人たちを
取り巻く状況が描かれた人間ドラマ。
 
 
ろう者というマイノリティの
聴こえない世界を生きるものの視点、
コーダという認知されなかった存在にも
スポットをあて、
マイノリティの世界を経験をしたものに
共通する思いが描かれている。

作者は、小説のタイトルの
「デフ・ヴォイス」に3つの意味をこめている。
 
1つは、そのまま「ろう者の声」。
もう1つは、「声」そのものではないですが、ろう者にとっての言語である「手話」ということ。
最後の1つには、ろう者に限らず、言いたいことがあっても圧倒的な多数の前にあってその声が社会に届きにくい社会的少数の声、(文庫本帯紙より引用)
 
私は一般的にこれまでマジョリティに
属することが多かった
人生を歩んできたが、
振り返れば学生時代、
留学した異国においては
マイノリティを経験する
こととなった。
 
私以外のほぼすべてが日本人以外という
大多数のなかでマイノリティとしての
日本人でありアイデンティティについて
考えることが多かった。
 
マイノリティの視点を想像し、
理解しようと思う時、
自分がマイノリティの立場で
経験したことと、
感じたこと、
傷ついたこと、
本当は言いたかったこと
でも言えなかったこと
声に出せずにいたこと
あらゆる感情が想起され
直線的ではないけれど
共感という細い糸でつながれた
感情が沸き起こる。
 
もちろん、すべてを理解して
共感なんてできないことだけれども、
少なくとも歩みよろうと
近づくことはできる。
 
この物語は読んでいてとても心が痛くなる。
それはこの作品には人として大切な事が詰まっているから。
この本に出会えたこの機会にぜひ読んでほしい(表紙より)。
 

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