ワーママのミカタ

ワーママの見方と味方。ハレてもケでも子育て。

「保活」という言葉が罪深い。

 
世論をうごかす保活
 
保育園さがしをはじめとする
保育園入園にかかる一連の行動が「保活」と
よばれるようになったのは
いつごろだっただろう。
 
10年前はそんな言葉はなかったはず。
5年ほど前もそんな言葉、
聞かなかったような。
 
3,4年ほど前から急に
浸透してきたような気がします。
 
2018年4月に厚労省行った調査
「保活の実態に関する調査の結果」で
はっきりと公式資料に
採用されていますので、
2018年には国も「保活」という言葉を
容認して公式に使っていたことがわかります。
 
でもさ、国もみとめちゃう
「保活」っていったいなんなのよ、と思う。
  
待機児童が深刻化して世論が声をあげはじめたあたり?
そう、あの「保育園落ちた日本死ね!!!」
衝撃の匿名ブログは、
世論を動かし、国会を動かしました。
 
国をあげて待機児童対策にのりだし、
自治体では、新設園があちこちに
設立されたところも
多かったのではないでしょうか。
 
私の住む自治体でも、7,8年前と比べると
2倍近くの勢いで保育園が増えています。
今年度も新たに3園が新設される見通し。
 
その前の契機としては、
記憶にない方も
おぼろげに覚えている方も
いるかと思いますが、
2013年、杉並区から派生した
「保育園ふやし隊」。
 
保育園の入園状況が悪化し、
待機児童数が急激に増えた2013年春。
 
保育園不承諾通知を受け取った
有志のママたちが
怒りの声をあげて
不承諾に対して異議申立を決行。
 
いわゆる、不承諾を不服とする
保育園一揆とよばれた団体交渉でした。
 
区役所前の抗議行動では、
抱っこやベビーカーで赤ちゃんを
連れたママたちが
デモを行っている様子が
ニュースで取り上げられて
大きな話題となりました。
 
この杉並区からはじまった一揆は、
23区内、東京都下にひろまり
各地で結成された
「保育園ふやし隊」が、
請願書の提出や議会への陳情と
次々に輪がひろがっていきました。
 
当時、この異議申立書の様式が
ネット上に拡がり、
不承諾通知を受け取った
多くのママが自治体に異議申立書を提出。
 
私も当事者として、自分の住む自治体の
「保育園ふやし隊」に参加し、
請願書を書いたことを思い出します。
そして、0才の赤ちゃんを抱っこして
議会の傍聴に行きました。
 
議会に響き渡る赤ちゃんの泣き声、
赤ちゃん連れのママたちの集団という
光景は異様に近かった。
 
でもそれくらいの本気度、深刻度であり、
追い込まれたママたちがいたというのも事実。
 
そして、いま、私の個人的感覚ですが、
あの頃に比べると保育園活動は
ずいぶんとずいぶんと楽になりました。
 
もちろん、第一希望の園に
必ずしも入園できるというところまでは
いきませんが、
園を選ばなければ、
どこかの保育園には入園できる
という状況まで近づいてきたと思います。
 
待機児童は減っている?
 
 厚労省が2019年9月に発表した
保育所等関連状況取りまとめ(平成31年4月1日)」の待機児童数がこちら。
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平成21年から28年までの待機児童数はこちら。

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平成21年→平成31年の10年間の
待機児童数をみると
平成22年の26,275人をピークに
平成26年まで下がり続け、
その後、ふたたび上昇していますが
平成29年は、26,081人、
平成30年は、19,895人、
平成31年は、16,772人まで
減少しています。 
 
このデータだけで直近3年で
10,000人近くの待機医児童が減った!
とよろこぶのは早計。
 
待機児童に含まれる概念の変化を確認するなど精査が必要。
(育休延長の場合や特定の園のみ希望は待機児童から除外などの新ルールができたため)
 
ではありますが、
一方の保育所等の数をみてみると
右肩上がりで増え続けている。
 

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6年前の2013年、不承諾通知を受け取った
ママたちがおこした
「保育園ふやし隊」の一揆
2016年に「保育園おちた」という
ママたちの切実な声が
国を動かし、自治体に届き、
ようやく実感として、
保育園が増えてきたと
「数」として認識できます。
 
先人のママたちの行動と努力に感謝。
 
保活という言葉が一般化してしまう
今の状況は、そもそもおかしい。
保活という言葉自体がなくなりますように。
 
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ママ、パパに幸あれ。